高齢者でも肉を食べるべきであるという「常識」

 最近ではやっとまともな栄養学の知識が広まりつつあるようで、高齢者でも肉を食べるべきであるというようなことを見たり聞いたりするのも増えてきました。ほんの少し前まで、日本では年をとったら肉は控えるべきなどという非常識なことが常識のように言われていましたし、今にいたってもまだそんな妄言を吐く人もいます。これは結局、沖縄を除いた日本本土に肉食文化がまったく根付いていないということを表わしているのだと思います。

 沖縄にしろ中国にしろ、非常に長い肉食文化がありますから、肉は若者が食うもので、年をとったら肉は控えるなどというおかしな風習はありません。そもそも肉食文化があるところは肉の扱いが上手なので、過度な脂肪は落としたり、食べやすくやわらかくしたりとお年寄りが召し上がっても体の負担にならないように料理する技術がいろいろあるのです。

 そもそも、肉食がその土地の食文化として根付いているところでは、肉を食うこと自体特別なことではありませんから、肉を食べることに年齢は関係ありませんし、食肉に関わる職能の人が差別されるなどという愚かな風習も出てこないわけです。

 妙な思想の菜食カルトではない普通の日本人でも、肉は体によくないというようなイメージを持っている人が多いように思えますが、それは肉の扱い方や食事のバランスというものを理解していないからであって、肉を食べること自体が体に悪いなどということはありません。私はお年寄りが刺身を食べるほうがよっぽど体に悪いと思います。

 2015年にもなってようやく栄養学の観点から高齢者も肉を食べるべきだという考えまで進歩することができた日本ですが、とはいえ100年たっても日本に沖縄や中国のような肉食文化が根付くことはないと思います。理由はいろいろややこしいので書きません。