湿気が多い時期には体内の除湿も

 関東は梅雨入りし、気候もだいぶジメジメとした感じになってきました。天人合一を想定する中医学から見ると、このような気候のときは人体も水分代謝が悪くなり、滞りやすくなることで様々な問題を引き起こすと考えます。

 外気の湿気が人体に悪影響を及ぼしたものを中医学では「湿邪」といいます。湿邪の性質は停滞性で、単体では停滞した部分を冷やしますが、熱とも結びつきやすく、熱と結びついた「湿熱」は、体を重だるくしたり、頭痛や消化不良などを起こします。

 この季節には室内の除湿が重要であるように、体内の除湿も考えなくてはいけません。そのためには、まず水分代謝機能を滞らせないようにします。

 人体で水分代謝に関わるのは、主に脾・肺・腎です。脾は胃腸を働かせて必要な水分を吸収し、肺に運びます。肺に運ばれた水分は、肺気によって全身に分配されます。そして、使用済みの不要な水分を膀胱から排出するのが腎気です。また、腎気はこのような水分代謝の統括という役割も持っています。

 これらの臓器の働きを正常に働かせるためには冷やさないことです。特に、蒸し暑いからといって冷たい飲食物を摂って胃を冷やすと、脾の働きを悪くします。また、冷房に頼りすぎると肺が冷えます。故に体の内側も外側も冷やさないのが大切です。

 利尿作用があるお茶やコーヒーをよく飲むようにするのはいいことです。世の中には利尿作用をまるで脱水作用のように勘違いして、利尿作用があるものを飲むと却って脱水症状を起こすなどと喧伝する人もいますが、そんな馬鹿なことはありえません。

 利尿作用とは排尿機能を活発にすることであって、体内の水分を搾り取るという意味ではないのです。

 もちろんそれだけではなく、適度な運動によって汗を流すのも大切です。何らかの原因で運動ができないという場合は、次善策として半身浴で汗を流すという方法もありますが、運動ができるなら運動したほうがいいでしょう。