アトピー性皮膚炎5 日ごろの養生

 アトピー週間の最終日です。今回は患者さん自身に実行してほしい養生法・生活法です。

1.生活篇
・お掃除励行
 室内のほこりにはダニの死骸とかいろんな細かい生物の糞等がいろいろ混ざっています。アレルゲンがハウスダストの場合はこれを吸わないようにするだけでだいぶ違います。また、人間の皮膚はダニのえさです。それを掃除しないで放置することはダニを養ってやっているようなものです。一人暮らしで忙しいから毎日掃除機なんかかけていられないという人も、クイックルワイパーで床を拭くぐらいのことはしてください。

・布団干し
 太陽の熱で布団の中にいるダニを殺します。それとともに湿気を抜いてダニが住みにくい環境にします。干した布団はそのままとりこまず掃除機を裏表ゆっくりかけてダニの死骸を吸い込まないと、干すだけではアレルゲンを大量生産するだけです。最近は布団専用掃除機も販売されています。また、そういう専用のものではなくても、掃除機に装着できる布団用のヘッドも売られているので上手に利用しましょう。もちろん休みの日に晴れるとはかぎらないので、布団乾燥機も利用します。アトピー患者にとっては布団乾燥機は必需品です。

2.皮膚養生篇
・汗をかく
 アトピーの肌で汗をかくと、ひどくかゆくなってつらいです。私もアトピーなのでわかります。しかし、特に体内に水分が停滞しているタイプの人は積極的に汗をかいて余分な水分を追い出してあげると徐々に楽になっていきます。私は数年前症状が悪化したときに漢方薬と自分で鍼を刺すのに加えて、かゆくなるのを我慢して汗をかくようにしたら症状が改善しました。

 最初は運動ではなく半身浴を汗が出るまでつかっているというのでもいいです。風呂なら出た汗をすぐに流せます。

・よく洗う
 荒れている皮膚の部分はタオルでごしごしこすらずに、よくあわ立てた石鹸の泡だけでやさしく洗います。泡が出てくるタイプのボディソープなども便利です。

 洗った後は未使用のタオルで水分をしっかり吸い取ります。「拭き取る」ではなく「吸い取る」です。あまりこすらないようにしましょう。

・皮膚を覆う
 アトピーで問題なのは荒れた皮膚の二次感染による炎症です。2015年になって、慶応大学の研究者が、黄色ブドウ球菌などの細菌巣が皮膚の炎症を起こす原因だと突き止めました。そのような細菌が皮膚上で増殖するのを防ぐためにも、皮膚をよく洗った後は、よく水分をとってから肌にあったクリーム等で保湿するとともに外からの感染を防がなければなりません。

 私自身は乾燥状態のときはアトピタの軟膏、じくじくしているときはユースキン軟膏を使っていました。しかし、人それぞれ合う合わないがあるので自分に合ったものを見つけましょう。

3.食養生篇
・何を食べると悪化するかを知る
 食品がアレルゲンの場合はそれを避けるのはもちろんですが、それ以外にも症状を悪化させる食べ物はあります。私の場合はカールのようなスナック菓子を食べるとてきめんに来ます。とうもろこしは食べても平気なので原料のとうもろこしに反応するのではなく、使われている調味料などがダメなのだと思います。そういう食べ物をよく知ることで悪化を事前に防ぎましょう。

・変な食養生はしない
 以前症状が悪かった時期に1年ほど無農薬野菜の宅配サービスに入っていましたが、それだけ食べていても別に変化はありませんでした。味を重視するなら別ですが、アトピーの改善のために無農薬野菜を食うというのは無駄だと思います。

 ただし、多くの野菜には血中の余剰なナトリウムを排除する働きをもつカリウムが豊富に含まれていることと、繊維を多く摂る事によって腸内環境を整えるという点で野菜を多く食べること自体は有効です。

 とはいえ、宗教じみた食養生法のように、野菜ばかり偏って食べる方法はやるべきではありません。ああいうトンデモ理論の変な食養生はかえって体を悪くする場合があります。そういうものより、ごくあたりまえにバランスがとれた食事をとることが大切です。

・冷たい飲食物は避ける
 冷たい飲食物、とくに飲み物を多くとると胃が冷えて脾気が滞り、水分代謝機能が低下します。さらに冷やされ続けると、今度は胃が自分を守るために熱を持つ場合もあります。そうすると停滞した水分と熱が結びついてやっかいな症状になります。

 飲み物はできるだけあたたかいもの。最低でも体温ぐらいのものを飲んで胃を守りましょう。

 サラダや刺身など熱を通していない食べ物も、つけ合わせ程度ならいいですがそればかり食べるのは避けたほうがいいと思います。

 他にも細かいことはいろいろありますが、とりあえず基本はこんなところです。酒タバコをやめるのは言うまでもないことです。