アトピー性皮膚炎1 アトピーの中医学的分類1

 今年は梅雨らしい梅雨となって湿気がすごいことになっているので、アトピーの人にとってはつらいのではないかと思います。そこで何回かに分けてアトピー性皮膚炎について解説します。

 まず今回はアトピーについての中医学的な見方と対応です。

 アトピーは非常に大雑把に分類すると乾燥型と湿潤型に分けられます。そのそれぞれにはさらに何通りかの型があります。

 乾燥型は気虚型、血虚型、熱盛型が考えられます。なお理解しやすくするために分類していますが、臨床では複合的な症状もよく見られます。

1.気虚型
・脾虚
 脾気が正常に働いているときは飲食物から吸収された水分は脾気の働きによって肺と腎に運ばれます。肺に運ばれた水分は肺気の働きによって表皮を潤します。しかし脾気が虚している場合は必要な水分を肺まで運ぶことができないので皮膚は潤されず乾燥します。

・肺虚
 上記のように肺は脾から渡された水分を表皮に運ぶ働きを持ちますが、脾気が正常に働いて水分を肺に渡したとしても、肺気が虚しているとその水分を表皮に運ぶことができないので乾燥します。

2.血虚型
 血液も皮膚を潤す働きをもちますので、血液が不足した場合も皮膚の乾燥症状を表す可能性があります。

 血液は営気と津液により作られています。営気は血液中にあり身体が必要とする栄養を運びます。津液は水分です。どちらも摂取した飲食物から得られるものですが、飲食物から精気や水分を吸収するのは脾胃の働きです。

 故に脾胃の働きが低下すると血液の材料が得られず血液が不足します。

3.熱盛型
 体内に入った熱邪、もしくは体内で発生した熱により体内の水分が損なわれ、表皮を潤すことができなくなったものです。

 アトピーの場合は体内の水分が足りなくなったために冷却機能が低下し熱が生まれる「虚熱」が原因となる場合が多いと考えられます。

→対応
 脾虚、肺虚に対しては脾や肺の機能を高める治療を加えます。血虚に対しても脾胃の効能を働かせて血液が正常に作られるようにします。

 熱型については水分の吸収と代謝能力を高めることで体の水冷機能を強めるとともに、熱が強い場合は熱を排除する治療を加えます。

 かゆみが強いのは熱の症状が強いと考えられます。かゆい部位が一定ではなく、あちこちがかゆくなる場合は熱と風邪が結びついた「風熱」によるものだと思われるので熱を瀉すだけではなく去風も加える必要があります。