カフェインは脱水症状を起こさない

 梅雨明けとともに熱中症患者さんが増えています。暑さを甘く見ず、また自分の体力を過信せずに、室内室外にかかわらず暑い環境の中では水分摂取につとめ、その他失われやすいミネラルの補給にも気をつけてください。

 さて、この時期の水分摂取についてよく見るのが「お茶やコーヒーなどには利尿作用があるカフェインが含まれ、カフェインを摂取するとかえって水分が出すぎて脱水症状を起こす」というまことしやかなデマです。

 どうしてこのようなデマがまかり通るかというと、おそらく「利尿作用」と「脱水作用」を混同しているためだと思われます。カフェインには確かに利尿作用があります。しかし、利尿作用というのは主に尿の排泄を促進するものという意味であって、体内にある水分の代謝を活発にすることはあっても、必要以上の水分を絞り出すということではないのです。

 例えば、腎機能が正常な人が協力な利尿薬を使うことで、必要以上の水分が排泄されるということは考えられます。現在は禁止されているものの、以前はボクシングの選手がぎりぎりまで体重を落とすために使ったこともあったようです。しかし、お茶やコーヒーに含まれる程度のカフェインに、そのような強力な効果はありません。

 故に、仮にコーヒーを100cc飲んだとして、200cc、300ccの尿が排出されるということはありえません。そもそも、もし本当にお茶やコーヒーによって脱水症状が引き起こされるのであれば、お茶やコーヒーばかり飲む人は夏でなくとも脱水症状を起こしているはずです。

 そんなことよりも重要なのは、冷たい飲食物により胃を冷やしすぎることで脾気の働きを阻害し、かえって水分代謝を滞らせてしまうことです。