便秘症はいくつかの種類に分かれます。そのうち女性の慢性便秘に多いのが、腸の便を排出する力が弱い弛緩性の便秘です。

中医学での便秘の考え方

 中医学で便通に関係するのは肺・脾・腎と大腸です。肺と脾は体内に吸収された水分の運行にかかわり、腎はその働きを統括します。それゆえにその働きが滞ると腸に水分が供給されず、便が硬くなり便秘を起こします。

 また、大腸は肺気によって働くので、肺の機能が低下すると大腸の機能も低下し、便秘を起こしやすくなります。

 腎は大腸に水分を供給するとともに、大腸の排泄活動も支えているので、腎の機能低下もまた、大腸の機能低下につながります。

 弛緩性便秘の場合は大腸の機能低下によるものです。

臍温灸での便秘治療

 臍は中医学では「神闕」と呼ばれる経穴です。

 神闕の効能は「温陽救逆 利水固脱」です。意味は陽気を温め、気の逆流を救い、水分代謝をよくして、気が漏れてしまうのを防ぐ、です。

 これにより大腸の働きが改善し、便の排泄がよくなります。

 臍は体表のなかで一番内臓に近い部位ですので、これを温めると内臓が温まり特に一番近くにある腸の機能が高くなります。

 さらに、臍温灸を続けることで体を活発に運用する陽気が強くなるので、五臓の働きがよくなり、大腸の機能を支えて便秘を起こしにくい体に改善されます。

その他の便秘について

 上記の通り臍温灸は長く続ければ五臓の働きをよくするので、弛緩性以外の便秘についても効果が望めると想定されますが、いままで私が臍温灸で治療したことがあるのが弛緩性便秘だけなので、明確な効果が望めるとまでは言えません。

 ただし、もし弛緩性以外の便秘で臍温灸のみでは効果がなかった場合は、鍼治療に移行もしくは併用で効果が期待できます。

継続治療の必要性について

 臍温灸は内臓をあたためて機能を高めていくことを目的とした治療であるという性質上、一回・二回の治療ではあまり効果は望めません。

 ゆえに当院では1ヶ月定額コースのみの受付となっております。臍温灸の場合は1ヶ月1万5千円の定額で1ヶ月間何度でも治療を受けられます。週2~3回来ていただければ効果が出やすくなります。定額制ですので、追加料金はありません。

 ただし他の治療と併用の場合は別途料金をいただきます。


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