Q:無針鍼は痛くありませんか?
A:痛く感じることがあります。
一般的な鍼治療のときに、患者さんに「痛み」として感じられると思われる刺激には2種類あります。一つは鍼が刺さるときに感じる「刺痛」。これは日本式の鍼ではほとんど感じることはありませんが、中国鍼の場合は鍼が太いためもあり、場所によって、又は患者さんの皮膚の状態によっては刺痛を感じてしまうことがあります。
もう一つ、鍼が体内に入ったときに感じる電気が走ったり、ずんと重くなったりする感覚。これも患者さんによっては「痛み」と感じてしまうことがあります。こちらの場合は日本では「ひびき」中国では「得気」と呼ばれる鍼の正常な刺激です。
「得気」という字のごとく、この刺激は鍼を刺した部分に気が流れたことを意味すると考えられています。だから中国ではこの得気を重視します。
ハリを刺さない「無針バリ」は、経穴(いわゆる「ツボ」)に刺激を届けるために、電気的にこの「得気」を生み出しています。そのため、無針鍼の刺激が痛く感じられることがあります。
特に、流れの悪い部分は電気抵抗が大きくなるために、痛みを感じやすくなります。逆に言うと、悪いところがあるから治療が必要となるので、ある程度の痛みを感じるのはやむをえないことと思ってください。
Q:痛みをなしで治療できませんか?
A:他の治療を受けてください。
無針鍼で感じられる痛みは治療のために必要な刺激です。その程度をある程度ゆるめることはできても、まったく痛みなしで治療することは不可能です。
治療効果よりも痛みがないことを重視するのであれば、他の治療を受けてください。
Q:鍼治療で肝炎・エイズに感染した話を聞いたのですが?
A:無針鍼では感染症は起きません。
無針鍼は鍼を刺さない治療法です。体内に鍼を刺さないため、血液感染による感染症の心配はありません。
Q:副作用はありませんか?
A:医薬品のような副作用はありません。
鍼や灸の治療において、医薬品服用時に見られるような副作用はありません。
ただし、例えば本来冷やすべきものを灸であたためたりしてしまうと、症状を悪化させてしまうということはありえます。これは副作用ではなく治療における過誤ですから、治療する側の技量の問題ですので、常に勉強の日々です。
しかし、そういったこととは別に、治療した後に一時的にだるさや疲労を感じたりすることがあります。これは、それまで血行が滞っていた部分に急激に血が流れ込んだために起こるもので、副作用ではありません。血流が落ち着けばだるさや疲れが残ることはありません。
Q:鍼で肺に穴があくことがあるのですか?
A:無針鍼では肺気胸は起きません。
誤って鍼を肺に刺してしまったために、患者さんに肺気胸を起こさせてしまったという事故は実際に起こっています。なぜそういった事故が起こってしまうのか?一言で言って、へたくそがへたな治療をしたからです。
本来鍼は部位によって刺す角度を調整します。特に肺がある部位に刺す場合は、体に対して垂直に刺すのではなく、斜めに刺さねばならないのです。逆に言えば、最低それだけの基本的な知識と技術がありさえすれば、肺気胸など起こりようがないわけです。
無針鍼はそもそも鍼を刺入しませんので、肺に穴があく気胸は起こりません。
Q:くせになってしまいませんか?
A:鍼灸治療に依存症はありません。
鍼灸治療では薬物を使うわけではありませんし、「鍼がくせになる」ツボなどという怪しげなものもありませんから、「依存症」という意味でのくせ・中毒というものには絶対になりません。
ただし、何度か治療を受けて、体が楽になるということを体験すると、無意識のうちに治療を求めるということはあると思います。それは、治療がくせになったというよりは、体の不調を知らせるサインになっているということだと思われます。